HYPGEOMDIST関数 – 超幾何分布に基づく確率を求める関数
1. 使い方と活用例
HYPGEOMDIST関数は、超幾何分布に従って、復元なしの抽出における特定の成功数(該当要素数)が得られる確率を計算する関数です。
この関数はExcel 2007以前で使用されていた旧バージョンであり、Excel 2010以降ではHYPGEOM.DIST関数が推奨されています。
2. 基本の書式
=HYPGEOMDIST(sample_s, number_sample, population_s, number_pop)
3. 引数の説明
- sample_s – 標本中に含まれる成功(該当)要素の数。
- number_sample – 抽出した標本の数。
- population_s – 母集団中に存在する成功(該当)要素の数。
- number_pop – 母集団全体の要素数。
4. 使用シーン
- 小規模な母集団から無作為に要素を選び、特定の条件に当てはまるものが含まれる確率を求めたい場合
- 検査、抽選、サンプリングなど、復元抽出ではないシナリオでの確率分析
5. 応用のポイント
HYPGEOMDIST関数は、離散確率(ちょうどn個の成功がある確率)のみを返す関数です。
cumulative引数はないため、累積確率を求めるには複数の結果を合計する必要があります。
Excel 2010以降では、より柔軟な HYPGEOM.DIST関数(累積かどうかを選択可能)が推奨されています。
6. 具体例とその解説
=HYPGEOMDIST(2, 5, 8, 20)
この式では、母集団20個の中に成功(該当)要素が8個ある場合に、
その中から5個を無作為に選んで、ちょうど2個の成功を得る確率を返します。
7. 関連関数の紹介
- HYPGEOM.DIST関数 – HYPGEOMDISTの新バージョン。累積確率の取得にも対応
- BINOMDIST関数 – 二項分布に基づいた確率を求める旧関数(現在はBINOM.DISTが推奨)
- POISSON.DIST関数 – ポアソン分布の確率を求める関数
- NORM.DIST関数 – 正規分布の確率を返す関数
8. まとめ
HYPGEOMDIST関数は、超幾何分布に基づいて離散確率を求めるために用いられる旧関数です。
Excel 2010以降では、累積確率の計算にも対応した HYPGEOM.DIST関数の使用が推奨されます。
古いワークシートとの互換性が必要な場合を除いて、新関数に移行するのが望ましいです。
9. 対応バージョン
HYPGEOMDIST関数は、Excel 2007以前のバージョンで使用されていました。
Excel 2010以降では非推奨となり、新しい関数 HYPGEOM.DIST が導入されています。