GROWTH関数 – 指数的成長を予測する回帰分析関数
1. 使い方と活用例
GROWTH関数は、既知のデータに基づいて指数関数的な成長パターンを予測する関数です。
例えば、売上や人口のように「一定の割合で増加していく」現象をモデル化し、将来の値を予測したいときに活用されます。
この関数は、y = b * m^x という形の指数関数に基づいて予測値を返します。
2. 基本の書式
=GROWTH(known_y's, [known_x's], [new_x's], [const])
3. 引数の説明
- known_y’s – 既知の y 値(結果)として使う数値の範囲や配列。
- known_x’s(省略可能)– 対応する x 値(入力変数)。省略時は 1, 2, 3, … になります。
- new_x’s(省略可能)– 予測したい x 値。これに対して y の値が予測されます。
- const(省略可能)– 定数 b を計算に含めるかどうかを指定します(TRUE = 含める、FALSE = b=1 として計算)。
4. 使用シーン
- 売上やユーザー数のように指数的に増加するデータの将来予測
- バイオロジーや物理学などでの指数関数モデルの当てはめ
- 連続した期間データ(例:年、月など)に基づいた成長予測
5. 応用のポイント
GROWTH関数は、指数関数の回帰モデルに基づいて新しい y の値を予測します。
LINEST関数と同様に、配列数式として使うことで複数の予測値を一括で求めることも可能です。
また、グラフとの連携も便利で、「散布図+近似曲線」で視覚的にも予測傾向を確認できます。
6. 具体例とその解説
=GROWTH(B2:B6, A2:A6, A7:A9)
この式では、A2:A6に入力された年(x値)に対応する売上データ(B2:B6)に基づいて、A7:A9の年における売上(y値)を指数関数で予測します。
=GROWTH({100,150,225,337.5})
このシンプルな例では、等間隔で増加している y 値に対して、次の値(5番目以降)を自動で推定できます。
7. 関連関数の紹介
- FORECAST関数 – 線形回帰を使って数値を予測する関数
- LINEST関数 – 回帰分析を行い、傾きや切片を求める関数
- LOGEST関数 – 指数回帰(GROWTHと同様)だが、回帰係数を返す
- TREND関数 – 線形トレンドに基づいて値を予測する関数
8. まとめ
GROWTH関数は、指数関数的な成長パターンに基づいて将来の値を予測できる強力な分析ツールです。
売上予測、人口予測、ウイルスの感染者数など、現実の「増加する現象」にフィットするモデルを使いたいときに有効です。
FORECASTやTRENDとの違いを理解して、適切な回帰手法を選びましょう。
9. 対応バージョン
GROWTH関数は、Excelのすべてのバージョンで使用可能です。
Excel 2007以降、Microsoft 365、Excel for Web でも対応しています。