GEOMEAN関数 – 複数の数値の幾何平均(相乗平均)を求める関数
1. 使い方と活用例
GEOMEAN関数は、指定した数値群の幾何平均(相乗平均)を計算する関数です。
幾何平均とは、すべての値を掛け合わせて、そのn乗根(nは個数)を取ることで求められる平均です。
経済学や金融、統計学などの分野で、年平均成長率やリスク分析などに利用されます。
2. 基本の書式
=GEOMEAN(number1, [number2], ...)
3. 引数の説明
- number1, number2, … – 幾何平均を求めたい2つ以上の正の数値またはセル範囲を指定します(最大255個まで)。
4. 使用シーン
- 年ごとの成長率(例:売上成長率、人口増加率など)の平均を求めたいとき
- 投資利回りや資産運用における年平均リターンの算出
- 偏差のあるデータを平均化するときに、よりバランスの取れた平均を出したいとき
5. 応用のポイント
GEOMEAN関数は、負の数やゼロを含むデータには対応していません。
すべての値が正の数である必要があります。
単純平均(AVERAGE関数)では過大・過小評価される可能性があるため、
成長率などの積み重ねが影響するデータには、GEOMEAN関数がより適しています。
6. 具体例とその解説
=GEOMEAN(1.1, 1.2, 0.9)
この式では、「1.1倍、1.2倍、0.9倍」の3年間の成長率に対して幾何平均を求めます。
結果は約1.0637(=約6.37%の平均成長率)となり、実際に3年間でどれくらい平均して成長したかを示します。
=GEOMEAN(A2:A6)
この式では、A2〜A6に入力された数値の幾何平均を求めます。
個数に応じた乗根(n乗根)が自動的に計算されます。
7. 関連関数の紹介
- AVERAGE関数 – 一般的な算術平均を求める関数
- HARMEAN関数 – 調和平均(分母側に注目する平均)を求める関数
- PRODUCT関数 – 数値をすべて掛け合わせる関数(幾何平均の手計算に利用可)
- POWER関数 – べき乗計算を行う関数(乗根や指数に使用)
8. まとめ
GEOMEAN関数は、累積効果があるデータや割合・成長率の平均を求めるのに最適な関数です。
単純な平均では正しく評価できないデータに対して、より実態に近い評価をすることができます。
投資、経済指標、人口統計などにおいて、幾何平均は非常に重要な指標となります。
9. 対応バージョン
GEOMEAN関数は、Excelのすべてのバージョンで使用可能です。
Excel 2007以降はもちろん、Microsoft 365 や Excel for Web でも利用できます。