GAMMA関数 – 指定した数値のガンマ関数(階乗の一般化)を返す関数
1. 使い方と活用例
GAMMA関数は、正の数や実数に対してガンマ関数(Γ関数)の値を返します。
これは階乗の拡張であり、Γ(n) = (n – 1)!(n は正の整数)という関係を持ちます。
連続的な階乗値や統計分布、ベータ分布、ガンマ分布などに用いられます。
2. 基本の書式
=GAMMA(number)
3. 引数の説明
- number – 必須。ガンマ関数を求める対象の数値。正の実数または正の整数。
4. 使用シーン
- 階乗の一般化(非整数の階乗)を計算したいとき。
- 統計分布(ベータ分布やガンマ分布)の数式に組み込みたいとき。
- 数学や物理学における特殊関数の一部として。
5. 応用のポイント
GAMMA関数は整数だけでなく非整数にも対応しており、
GAMMA(5) は 24
(= 4!)、GAMMA(5.5) は 52.3428...
のように実数に対する値も返します。
0 または負の整数を引数に指定すると #NUM!
エラーになります。
なお、ガンマ関数の対数を返す GAMMALN関数 も統計処理ではよく使われます。
6. 具体例とその解説
整数の階乗と一致する例
=GAMMA(6)
結果は 120
(= 5!)になります。
実数のガンマ関数例
=GAMMA(2.5)
結果は 1.329340388
になります。
0 を指定するとエラーになります。
=GAMMA(0)
結果は #NUM!
(定義されていないため)です。
7. 関連関数の紹介
- GAMMALN関数 – ガンマ関数の自然対数を返す関数
- FACT関数 – 指定した数の階乗を求める関数(整数専用)
- FACTDOUBLE関数 – 二重階乗(n!!)を求める関数
- BETA.DIST関数 – ベータ分布の確率密度または累積分布を返す関数
- GAMMA.DIST関数 – ガンマ分布の確率密度関数または累積分布関数
8. まとめ
GAMMA関数は、整数・実数に対して階乗のような連続的な演算を可能にする数学的に重要な特殊関数です。
統計分析や数理モデルの構築時に必要不可欠な関数のひとつです。
9. 対応バージョン
Excel 2013以降で使用可能です。
Excel 365、Excel 2019、Excel Online にも対応しています。