FVSCHEDULE関数 – 複利での将来価値を利率スケジュールに基づいて計算する関数
1. 使い方と活用例
FVSCHEDULE関数は、異なる期間ごとに異なる利率(スケジュール)が適用される場合の、将来価値(FV)を計算する関数です。
期間ごとに変動する利率を考慮した資産運用シミュレーションや、段階的な利回りのある投資の評価に活用されます。
2. 基本の書式
=FVSCHEDULE(principal, schedule)
3. 引数の説明
- principal – 必須。元本(初期投資額)。
- schedule – 必須。各期間ごとの利率(配列または範囲指定)。利率は割合(例:8% は 0.08)で指定。
4. 使用シーン
- 利率が年ごと、四半期ごとなどで異なる投資商品の評価。
- 固定金利でない場合のローンや運用商品の将来価値計算。
- 複利運用で、異なる成長率を年ごとに適用する資産形成シミュレーション。
5. 応用のポイント
FVSCHEDULE関数は、指定された各利率を複利として順に適用して将来価値を計算します。
計算式としては次のように適用されます:
FV = principal × (1 + r₁) × (1 + r₂) × … × (1 + rₙ)
利率は小数(例:0.05)で入力し、パーセンテージ(例:5%)を直接入力すると正しく計算されません。
6. 具体例とその解説
初期投資が 1000 で、3年間の利率が順に 3%、4%、5% の場合
=FVSCHEDULE(1000, {0.03, 0.04, 0.05})
計算結果は 1124.76
になります(1000 × 1.03 × 1.04 × 1.05)。
セル範囲で利率を指定する例:
利率が B1:B3 に {0.03, 0.04, 0.05} と入力されている場合
=FVSCHEDULE(1000, B1:B3)
結果は同様に 1124.76
になります。
7. 関連関数の紹介
- FV関数 – 一定利率・定期支払いによる将来価値を求める関数
- NPV関数 – 割引率を用いた純現在価値を計算する関数
- RATE関数 – 支払回数・金額に基づいて利率を算出する関数
- IRR関数 – キャッシュフローに基づく内部収益率を求める関数
- GROWTH関数 – 指数的な成長を予測する関数
8. まとめ
FVSCHEDULE関数は、利率が変動する複利計算に対応した将来価値の計算専用関数です。
期間ごとの変化をより現実的に反映させたいときに非常に便利で、投資計画やローン分析などに役立ちます。
9. 対応バージョン
Excel 2003以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Excel 365、Excel 2019、Excel Online にも対応しています。