FTEST関数 – 互換性

FTEST関数 – 2つの母分散の差を検定する関数


1. 使い方と活用例

FTEST関数は、2つのサンプルデータに対してF検定(分散の差の検定)を行い、分散が等しいかどうかを評価する関数です。
この関数は、Excel 2010 以前で使用されていた旧バージョンであり、現在はF.TEST関数への置き換えが推奨されています。

2. 基本の書式

=FTEST(array1, array2)

3. 引数の説明

  • array1 – 必須。1つ目のサンプルデータの範囲。
  • array2 – 必須。2つ目のサンプルデータの範囲。

4. 使用シーン

  • Excel 2010以前のバージョンで、2群の分散が等しいかどうかを判定したい場合。
  • 古いマクロやテンプレートでFTESTが使用されており、互換性維持が必要なとき。

5. 応用のポイント

FTEST関数は、指定された2つの配列の分散比に基づいて片側検定の p値を返します。
Excel 2010以降ではこの関数は廃止(非推奨)となり、代わりにF.TEST関数が導入されました。
新しいシステムやファイルでは、FTEST関数は自動的にF.TEST関数に変換される場合があります。

6. 具体例とその解説

A2:A6 に {12, 15, 14, 10, 13}
B2:B6 に {18, 17, 19, 21, 20}
が入力されている場合

=FTEST(A2:A6, B2:B6)

この関数は、2群のデータの分散に差があるかどうかを検定し、p値を返します。
例えば、結果が 0.03 の場合、有意水準 0.05 で「分散に有意な差がある」と判断できます。

7. 関連関数の紹介

  • F.TEST関数 – FTESTの後継関数。現在はこちらの使用が推奨されます。
  • T.TEST関数 – 2つの平均値の差の有意性を検定する関数
  • VAR.S関数 – サンプルの分散を求める関数
  • F.DIST関数 – F分布の確率密度を求める関数
  • F.INV関数 – F分布の逆関数(分位点)を求める関数

8. まとめ

FTEST関数は、2つのサンプルデータの母分散の差を検定する旧関数です。
現在はF.TEST関数が正式な代替手段として提供されており、今後の使用にはF.TESTの利用が推奨されます。

9. 対応バージョン

Excel 2003 ~ Excel 2010 で使用可能です。
Excel 2013以降では互換性維持のために残されてはいますが非推奨であり、F.TEST関数の使用が推奨されています。