F.TEST関数 – 2つの母分散が等しいかどうかを検定する関数(F検定)
1. 使い方と活用例
F.TEST関数は、2つのサンプルデータの分散を比較して、両群の母分散に差があるかどうかをF検定によって評価する関数です。
主に仮説検定において、分散分析(ANOVA)の前提条件確認や、等分散性の検証に使われます。
2. 基本の書式
=F.TEST(array1, array2)
3. 引数の説明
- array1 – 必須。1つ目のデータ配列またはセル範囲(サンプル1)
- array2 – 必須。2つ目のデータ配列またはセル範囲(サンプル2)
4. 使用シーン
- 2つのグループのデータが同じ分散かどうかを確認したいとき。
- 分散分析(ANOVA)を行う前の前提条件として、等分散性を検定したい場合。
- 製品特性や実験結果のばらつきが統計的に同等かどうかを判断したい場面。
5. 応用のポイント
F.TEST関数の返り値は片側検定に基づく p値です。
この p値が小さい(通常 0.05 未満)場合、「2つの母分散に差がある」と判断します。
入力する2つの配列は、数値データのみで構成されている必要があり、空白や文字列が含まれていると無視されます。
6. 具体例とその解説
次の2つのサンプルデータがあるとします。
A2:A6 → {23, 25, 27, 24, 22}
B2:B6 → {30, 35, 29, 31, 28}
以下の式でF検定(分散の等質性検定)を実行できます。
=F.TEST(A2:A6, B2:B6)
結果として p値が返されます。
この値が例えば 0.02
であれば、有意水準5%において「分散に有意な差がある」と判断されます。
7. 関連関数の紹介
- T.TEST関数 – 2群の平均値の差の有意性を検定する関数
- VAR.S関数 – サンプルの分散を求める関数
- F.DIST関数 – F分布の確率密度を返す関数
- F.INV関数 – F分布の逆関数(分位点)を返す関数
- ANOVAツール – データ分析アドインで利用できる分散分析ツール
8. まとめ
F.TEST関数は、2つのデータセットの分散が統計的に等しいかどうかを検定するための重要な関数です。
仮説検定の前提確認や、分散に着目した比較を行いたいときに役立ちます。
p値の解釈がポイントとなるため、適切な有意水準を設定して使用することが大切です。
9. 対応バージョン
Excel 2010以降で使用可能です(それ以前のバージョンでは FTEST関数 が同等機能として存在)。
Excel 365、Excel 2019、Excel Online にも対応しています。