FREQUENCY関数 – データの度数分布(頻度)を求める関数
1. 使い方と活用例
FREQUENCY関数は、指定したデータ範囲内の値が、指定した区間(ビン)にいくつずつ含まれるかを集計し、度数分布表を作成する関数です。
アンケート結果、試験成績、販売データなどを区間ごとに集計・分類したいときに活用されます。
2. 基本の書式
=FREQUENCY(data_array, bins_array)
3. 引数の説明
- data_array – 必須。度数を求める対象のデータ範囲。
- bins_array – 必須。集計の区切り(ビン)の値。各ビンの上限値を指定します。
4. 使用シーン
- テストの点数を区間ごとに分類して集計したい場合。
- 販売数やアクセス数などを分布ごとに可視化したい場合。
- ヒストグラム作成のために度数表を生成したいとき。
5. 応用のポイント
FREQUENCY関数は配列関数であり、複数のセルに結果を表示するためには、結果範囲を選択してから数式を入力する必要があります(従来版では Ctrl + Shift + Enter が必要)。
最後のビンには「bins_array の最大値より大きいすべての値」の個数が含まれます。
Excel 365 以降ではスピル機能により自動で配列が展開されます。
6. 具体例とその解説
以下のデータが A2:A11 にあり(得点)
{55, 72, 88, 91, 68, 74, 95, 60, 85, 77}
区間の上限値(ビン)として B2:B5 に {59, 69, 79, 89}
があるとします。
次の数式を C2 に入力し、C2:C6 にスピルさせることで各区間の度数が得られます。
=FREQUENCY(A2:A11, B2:B5)
結果(C2:C6)
- C2(~59点):1
- C3(60~69点):2
- C4(70~79点):3
- C5(80~89点):2
- C6(90点以上):2
7. 関連関数の紹介
- COUNTIF関数 – 条件に一致するデータの個数を数える関数
- COUNTIFS関数 – 複数条件に一致するデータを数える関数
- UNIQUE関数 – 一意の値を抽出する関数
- SORT関数 – 昇順または降順でデータを並べ替える関数
- HISTOGRAMツール – 分析ツールのヒストグラム生成オプション
8. まとめ
FREQUENCY関数は、数値データを区間ごとに分類して度数を集計するための非常に有用な関数です。
配列関数であることに注意しつつ、ヒストグラム作成や集計処理に積極的に活用できます。
9. 対応バージョン
Excel 2003以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Excel 365、Excel 2019、Excel Online ではスピル機能により自動展開にも対応しています。