FORECAST関数 – 回帰直線に基づいて将来の値を予測する関数
1. 使い方と活用例
FORECAST関数は、既知のデータから線形回帰に基づいて、あるxの値に対応するyの値を予測する関数です。
売上予測や傾向分析、科学的な測定データの補間などに利用されます。
2. 基本の書式
=FORECAST(x, known_y's, known_x's)
3. 引数の説明
- x – 予測したいxの値を指定します。
- known_y’s – 既知のyの値の範囲を指定します。
- known_x’s – 既知のxの値の範囲を指定します。
4. 使用シーン
- 過去の売上データから翌月の売上を予測する
- 温度や時間に対する実験結果から中間値を推定する
- 生産量に対するコストの予測
5. 応用のポイント
FORECAST関数は線形回帰に基づくため、データが直線的な傾向に従っている場合に有効です。
非線形な傾向がある場合には、FORECAST.ETS関数やFORECAST.LINEAR関数の使用も検討できます。
また、xの値がknown_x’sの範囲外である場合は外挿となり、予測の精度が下がる可能性があるため注意が必要です。
6. 具体例とその解説
=FORECAST(6, B2:B6, A2:A6)
A2:A6に1~5のx値、B2:B6に対応するy値が入力されていると仮定した場合、x=6におけるyの予測値を返します。
線形回帰モデルに基づいた値が計算されます。
7. 関連関数の紹介
- FORECAST.LINEAR関数 – FORECAST関数と同じ線形予測を行う関数(新しい関数名)
- FORECAST.ETS関数 – 時系列に基づく指数平滑法を用いた予測関数
- LINEST関数 – 回帰分析の係数や統計値を求める関数
- TREND関数 – 複数のx値に対応するyの予測値を返す関数
8. まとめ
FORECAST関数は、過去のデータに基づき将来の値をシンプルに予測できる便利な関数です。
線形モデルが前提であるため、データの傾向に応じて他の予測関数との使い分けが重要です。
表やグラフと併用することで、より説得力のある予測資料を作成できます。
9. 対応バージョン
FORECAST関数は、Excel 2007以降で使用可能です。
Excel 2016以降では、同様の機能を持つFORECAST.LINEAR関数が推奨されています。