FLOOR関数 – 数値を指定した基準値の倍数に切り捨てる関数
1. 使い方と活用例
FLOOR関数は、指定された基準値の倍数に切り捨てて最も近い数値を返す関数です。
金額の端数処理や単位換算、規則的な値への丸め処理に活用されます。
2. 基本の書式
=FLOOR(number, significance)
3. 引数の説明
- number – 丸めたい数値を指定します。
- significance – 丸めの基準となる倍数(単位)を指定します。
4. 使用シーン
- 商品の価格を100円単位に切り捨てたい場合
- 勤務時間を15分単位に調整して計算したい場合
- 重量や距離などを特定の単位で丸めたい場合
5. 応用のポイント
FLOOR関数は、numberとsignificanceの符号が異なるとエラーになる点に注意が必要です。
また、Excel 2010以降では、FLOOR関数の代わりにFLOOR.MATH関数やFLOOR.PRECISE関数の使用が推奨されるケースもあります。
正の数でも負の数でも柔軟に扱いたい場合は、それらの関数と比較して選択してください。
6. 具体例とその解説
=FLOOR(1234.56, 100)
この式では、1234.56を100の倍数に切り捨てて「1200」を返します。
100単位での価格処理などに利用できます。
=FLOOR(7.8, 0.5)
この式では、7.8を0.5の倍数に切り捨てて「7.5」を返します。
少数単位での切り捨て処理にも対応しています。
7. 関連関数の紹介
- FLOOR.MATH関数 – 数値を切り捨てて最も近い指定された倍数にする関数(Excel 2013以降)
- FLOOR.PRECISE関数 – 常に正方向に切り捨てる関数(Excel 2010以降)
- CEILING関数 – 指定された倍数のうち最も近い「大きい」数に切り上げる関数
- ROUND関数 – 指定された桁数に四捨五入する関数
8. まとめ
FLOOR関数は、特定の単位や倍数に合わせて値を切り捨てる処理に非常に便利です。
実務での端数処理やパターン化された数値変換の場面で役立ちます。
ただし、符号の不一致によるエラーや、バージョンによる挙動の違いには注意が必要です。
9. 対応バージョン
FLOOR関数は、Excel 2007以前のバージョンから使用可能です。
ただし、Excel 2010以降では代替関数であるFLOOR.MATH関数やFLOOR.PRECISE関数の使用が推奨される場合があります。