EXPONDIST関数 – 指数分布に基づく確率を返す関数
1. 使い方と活用例
EXPONDIST関数は、指定されたxの値に対する指数分布（Exponential Distribution）の確率を返す関数です。
この分布は、待ち時間や故障間隔など、あるイベントが発生するまでの時間をモデル化するために使われます。
2. 基本の書式
=EXPONDIST(x, λ, 累積)3. 引数の説明
- x – 関数に入力する値。0以上の数値である必要があります。
- λ（ラムダ） – 分布の平均発生率（正の数）。
- 累積 – 論理値。
TRUEの場合：累積分布関数を返します（x以下の確率）
FALSEの場合：確率密度関数を返します（xでの確率密度）
4. 使用シーン
- 一定間隔で発生する事象（例：顧客到着、製品故障など）の確率予測
- 待ち時間分析や信頼性工学におけるモデリング
- サービス業における到着間隔の評価
5. 応用のポイント
指数分布は、イベントが「一定の平均率」で発生すると仮定するモデルです。
λが大きいほど、平均待ち時間が短くなります（平均待ち時間は 1/λ）。
分析では、累積確率と密度の違いを理解して使い分けることが重要です。
6. 具体例とその解説
=EXPONDIST(2, 0.5, TRUE)
この式では、x=2、λ=0.5のときの累積分布関数の値（2以下でイベントが発生する確率）を求めます。
結果は 0.6321 となります。
=EXPONDIST(2, 0.5, FALSE)
この式では、x=2、λ=0.5のときの確率密度（2でイベントが発生する瞬間の密度）を返します。
結果は 0.1839 です。
7. 関連関数の紹介
- POISSON関数 – ポアソン分布に基づく確率を返す関数
- NORM.DIST関数 – 正規分布の確率を返す関数
- WEIBULL.DIST関数 – ワイブル分布の確率を返す関数
- GAMMA.DIST関数 – ガンマ分布の確率を返す関数
8. まとめ
EXPONDIST関数は、待ち時間や故障間隔などのモデリングに適した確率関数です。
λ（平均発生率）とx（観測値）を適切に設定することで、現実のプロセスに即した分析が可能となります。
密度と累積を使い分け、正確なシミュレーションや評価に活用しましょう。
9. 対応バージョン
EXPONDIST関数は、Excel 2007～2010で使用可能ですが、Excel 2010以降では非推奨となっており、代わりに EXPON.DIST関数 の使用が推奨されています。