EUROCONVERT関数 – 欧州通貨間のユーロ換算を行う関数
1. 使い方と活用例
EUROCONVERT関数は、ユーロ導入以前の旧通貨とユーロ、または他の加盟国の旧通貨との間で換算を行うための関数です。
指定した金額を、正確な固定換算レートを使用して別の通貨単位に変換します。
欧州連合内の複数通貨を扱う帳票やレポート作成に便利です。
2. 基本の書式
=EUROCONVERT(数値, 元の通貨, 換算先通貨, [精度調整], [三角換算], [完全表示])
3. 引数の説明
- 数値 – 換算する金額。
- 元の通貨 – 換算元の通貨コード(例:”FRF”、”DEM”、”EUR”など)。
- 換算先通貨 – 換算先の通貨コード。
- 精度調整(省略可) – 桁数の丸め処理を制御(TRUE で正確な換算、FALSE で丸められた値)。
- 三角換算(省略可) – TRUEの場合、三角換算(ユーロを経由して換算)を実施。
- 完全表示(省略可) – TRUE で計算結果を最大精度で返す。
4. 使用シーン
- 旧通貨(例:フラン、ドイツマルク)で記録されたデータをユーロに変換したいとき
- 異なる旧通貨間で正確な換算を行いたいとき
- 欧州統合以前のデータを現行通貨に統一して分析したいとき
5. 応用のポイント
EUROCONVERT関数は、Excelに組み込まれた固定レートに基づいて計算されます。
通貨コードはISO 4217形式(例:FRF、ITL、DEM、EURなど)で指定する必要があります。
なお、精度調整や三角換算の引数を正しく指定することで、会計用途にも対応できます。
6. 具体例とその解説
=EUROCONVERT(100, "FRF", "EUR")
この式は、100フラン(FRF)をユーロ(EUR)に換算します。
フランとユーロの公式換算レートに基づいて、約15.24ユーロが返されます(レートにより異なる場合あり)。
小数点以下の桁数はデフォルトで自動調整されます。
7. 関連関数の紹介
8. まとめ
EUROCONVERT関数は、ユーロへの通貨移行に伴う計算ニーズに対応するための専用関数です。
固定換算レートを用いた正確な変換が可能で、ユーロ圏の金融データを扱う際に重宝されます。
9. 対応バージョン
EUROCONVERT関数は、Excel 2000以降に追加された関数で、通常は「ユーロ通貨ツールアドイン(Euro Currency Tools)」を有効にする必要があります。
Excel 365や最新版では標準で使用できない場合があり、その際はアドインの有効化が必要です。