DSUM関数 – その他

DSUM関数 – 条件に一致するデータの合計を求める関数


1. 使い方と活用例

DSUM関数は、指定されたデータベースから条件に一致するレコードを抽出し、指定列の数値の合計を計算する関数です。
複数の条件を柔軟に設定できる点が特徴で、業務用データベースなどの集計に便利です。

2. 基本の書式

=DSUM(データベース, フィールド, 条件)

3. 引数の説明

  • データベース – 集計対象となるデータの範囲を指定します。1行目には列の見出しが必要です。
  • フィールド – 合計を求める対象列を、列名または列番号で指定します。
  • 条件 – 集計対象を絞り込むための条件範囲を指定します。1行目にも列見出しを含める必要があります。

4. 使用シーン

  • 特定の支店や担当者の売上金額を条件付きで合計したいとき
  • 在庫一覧から、あるカテゴリの在庫数量を合算したいとき

5. 応用のポイント

DSUM関数は、条件範囲に複数の列を指定することでAND条件やOR条件を自由に設定できます。
フィールド引数は列番号でも指定できますが、列名で指定する方が分かりやすく、可読性が向上します。
条件範囲には別の場所にあるセル範囲や、セルに入力された直接の条件も使用可能です。

6. 具体例とその解説

次のようなデータベースがあるとします。


A列        B列       C列
"氏名"     "部署"     "売上"
"佐藤"     "営業"     120
"鈴木"     "営業"     150
"田中"     "総務"     90
"高橋"     "営業"     135

条件範囲を以下のように設定します。


E列
"部署"
"営業"

次の式を入力します。

=DSUM(A1:C5, "売上", E1:E2)

この式では、「営業」部門に所属する社員の売上を合計します。
120 + 150 + 135 = 405 が結果として返されます。

7. 関連関数の紹介

  • DAVERAGE関数 – 条件に一致するデータの平均を求める関数
  • DCOUNT関数 – 条件に一致する数値セルの個数を求める関数
  • DGET関数 – 条件に一致する1件のデータから値を取得する関数
  • SUMIFS関数 – 条件付きで合計を求める関数(より簡潔な形式)

8. まとめ

DSUM関数は、複雑な条件付きの合計計算ができる高機能な関数です。
データベース形式で管理されている情報を、柔軟な絞り込み条件と共に集計するのに最適です。
他のD関数と組み合わせることで、より多様なデータ処理が可能になります。

9. 対応バージョン

DSUM関数は、Excel 2003以降すべてのバージョンで使用可能です。
Microsoft 365、Excel for Mac、Web版Excelでも対応しています。