DPRODUCT関数 – 条件に一致する数値の積を求める関数
1. 使い方と活用例
DPRODUCT関数は、指定されたデータベースの中から条件に一致するレコードを抽出し、指定列の数値の積(掛け算の結果)を返す関数です。
特定の条件下で複数の数値を掛け合わせて集計したいときに使用されます。
2. 基本の書式
=DPRODUCT(データベース, フィールド, 条件)
3. 引数の説明
- データベース – 集計対象となるデータの範囲を指定します。1行目には列見出しを含める必要があります。
- フィールド – 積を計算する列を列名または列番号で指定します。
- 条件 – 集計対象を抽出するための条件を設定する範囲を指定します。条件範囲にも列見出しを含めます。
4. 使用シーン
- 特定の条件に合致する商品の数量と単価の積を計算したいとき
- データベースから条件に一致する値の積を求めて、累積効果や成長係数を計算したいとき
5. 応用のポイント
DPRODUCT関数は、条件に一致するレコードが1件または複数件あれば、それらの対象列の値を掛け合わせた結果を返します。
対象セルに空白や文字列が含まれていると、積の計算に影響を与える可能性があるため注意が必要です。
条件を精密に設定することで、絞り込み精度の高い集計が可能になります。
6. 具体例とその解説
以下のようなデータベースを考えます。
A列 B列 C列
"商品名" "カテゴリ" "在庫数"
"ペン" "文房具" 10
"ノート" "文房具" 5
"マウス" "電子機器" 2
"キーボード" "電子機器" 4
条件範囲を以下のように設定します。
E列
"カテゴリ"
"文房具"
以下の式を入力します。
=DPRODUCT(A1:C5, "在庫数", E1:E2)
この式は、「文房具」カテゴリの商品(ペンとノート)の在庫数を掛け合わせた結果を返します。
10 × 5 = 50 が結果となります。
7. 関連関数の紹介
- DSUM関数 – 条件に一致する数値の合計を求める関数
- DAVERAGE関数 – 条件に一致する数値の平均を求める関数
- DCOUNT関数 – 条件に一致する数値セルの個数を数える関数
- PRODUCT関数 – 指定範囲の数値の積を求める関数(条件なし)
8. まとめ
DPRODUCT関数は、条件付きで数値の積を求めたいときに便利なデータベース関数です。
掛け算ベースの集計が必要な場面や、数量×単価といった乗算のビジネスロジックに基づく集計に適しています。
条件を柔軟に設定することで、特定の対象に絞った積の計算が実現できます。
9. 対応バージョン
DPRODUCT関数は、Excel 2003以降すべてのバージョンで使用可能です。
Microsoft 365、Excel for Mac、Web版Excelでも対応しています。