DOLLARFR関数 – 財務

DOLLARFR関数 – 10進数形式の金額を分数形式に変換する関数


1. 使い方と活用例

DOLLARFR関数は、10進数で表された金額を、分数形式(ドルと分母ベースの小数)に変換する関数です。
金融業界、特に米国債などの債券価格で用いられる「1.02(1ドルと2/16ドル)」のような表記へ変換したい場合に便利です。

2. 基本の書式

=DOLLARFR(10進数形式の数値, 分母)

3. 引数の説明

  • 10進数形式の数値 – 変換対象の金額を指定します(例:1.125 は 1ドルと0.125ドル)。
  • 分母 – 小数部分の分母を指定します。一般的には16、32、64などの値を用います。

4. 使用シーン

  • 10進数で記録された債券価格を、業界標準の分数形式で表示したいとき
  • 金融データの出力や報告書で、特定の表記形式を求められる場合

5. 応用のポイント

DOLLARFR関数は、整数部分はそのままに、10進数の小数部分を指定された分母に変換して整数.分子の形に変えます。
たとえば 0.25 を 16分の何かに変換すると、0.25 × 16 = 4 → 結果は「.04」として表示されます。
見た目は通常の小数点形式ですが、意味としては「1と4/16ドル」のように解釈されます。

6. 具体例とその解説

=DOLLARFR(1.125, 16)

この式では、1.125(1ドルと0.125ドル)を16分法に変換します。
0.125 × 16 = 2 なので、結果は 1.02(1ドルと2/16ドル)になります。

=DOLLARFR(2.75, 32)

この式では、0.75 × 32 = 24。結果は 2.24(2ドルと24/32ドル)となります。

7. 関連関数の紹介

  • DOLLARDE関数 – 分数形式の金額を10進数形式に変換する関数
  • TEXT関数 – 数値を特定の書式に変換する関数
  • ROUND関数 – 小数点以下を指定した桁で丸める関数

8. まとめ

DOLLARFR関数は、10進数表記の金額を米国式の分数形式に変換するために非常に便利です。
特に債券価格などを取り扱う金融業務において、実務に即したフォーマット変換が可能になります。
DOLLARDE関数と組み合わせることで、双方向での変換がスムーズに行えます。

9. 対応バージョン

DOLLARFR関数は、Excel 2003以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Microsoft 365、Excel for Mac、Web版Excelにも対応しています。