DECIMAL関数 – 文字列で表された他の進数の値を10進数に変換する関数
1. 使い方と活用例
DECIMAL関数は、2進数や16進数などの異なる基数で表現された数値の文字列を、10進数の数値に変換する関数です。
進数変換が必要なプログラミングや、システム設計、暗号・通信などの分野で活用されます。
2. 基本の書式
=DECIMAL(text, radix)
3. 引数の説明
- text – 基数表記された文字列。2〜36の範囲の基数に対応した文字列を指定します(例:”1010″、”1A”など)。
- radix – 指定する基数。2以上36以下の整数で指定します。
4. 使用シーン
- 2進数や16進数で表された数値を10進数に変換したいとき
- 通信・制御系のシステムで、コードや識別子を10進数に変換したいとき
- 36進数までの任意の文字列数値を標準的な数値として処理したいとき
5. 応用のポイント
radixに指定できる最大の基数は36で、それに対応する文字列には数字(0〜9)およびアルファベット(A〜Z、大文字のみ)を使用します。
小文字で指定しても自動で大文字として解釈されるため問題ありません。
文字列の中に基数に対応しない文字が含まれていると、#NUM! エラーが発生します。
6. 具体例とその解説
=DECIMAL("1010", 2)
この式は、2進数 “1010” を10進数に変換します。
結果は 10 になります。
=DECIMAL("1A", 16)
この式は、16進数 “1A” を10進数に変換します。
“1A” は 16×1 + 10 = 26 なので、結果は 26 になります。
=DECIMAL("Z", 36)
この式は、36進数での “Z”(=35)を10進数に変換します。
結果は 35 になります。
7. 関連関数の紹介
- BASE関数 – 10進数を任意の基数の文字列に変換する関数(DECIMALの逆)
- HEX2DEC関数 – 16進数文字列を10進数に変換する専用関数
- BIN2DEC関数 – 2進数文字列を10進数に変換する専用関数
- OCT2DEC関数 – 8進数文字列を10進数に変換する関数
8. まとめ
DECIMAL関数は、異なる進数で表現された値を10進数に変換するための非常に便利な関数です。
あらゆる進数表記の数値を統一した形式で扱えるようになるため、技術系・開発系の作業に特に重宝されます。
BASE関数などと組み合わせることで、進数変換の双方向処理が可能です。
9. 対応バージョン
Excel 2013以降で使用可能です。
それ以前のバージョンでは使用できません。