DCOUNT関数 – その他

DCOUNT関数 – データベース内で条件に一致する数値セルの個数を数える関数


1. 使い方と活用例

DCOUNT関数は、指定したデータベース範囲において、指定列のうち条件に一致するレコードの中で「数値が入力されているセルの数」を数える関数です。
文字列や空白のセルはカウントされず、数値が入力されているセルのみが対象となります。

2. 基本の書式

=DCOUNT(データベース, フィールド, 条件)

3. 引数の説明

  • データベース – データの集まり(1行目に列見出しがあるテーブル形式の範囲)を指定します。
  • フィールド – カウント対象とする列を、列見出し名または列番号で指定します。
  • 条件 – 検索条件を設定する範囲を指定します。条件範囲も列見出しを含む形式で指定します。

4. 使用シーン

  • 売上データの中から、特定の条件に一致するレコードのうち、売上金額が入力されている件数を調べたいとき
  • 調査データのうち、特定条件を満たすレコードで数値データが記録されている数を確認したいとき

5. 応用のポイント

DCOUNT関数は、数値のみを対象とする点がDCOUNTA関数との違いです。
文字列や空白セルはカウント対象外となるため、実際に数値データが正しく入力されている件数を調べたいときに役立ちます。
また、条件範囲では複数の列を用いて複雑な絞り込みも可能です。

6. 具体例とその解説

次のようなデータベースがあるとします。


A列        B列       C列
"氏名"     "部署"     "売上"
"佐藤"     "営業"     100
"鈴木"     "営業"     (空白)
"田中"     "営業"     150
"高橋"     "総務"     80

条件範囲を以下のように設定します。


E列
"部署"
"営業"

以下の式を入力します。

=DCOUNT(A1:C5, "売上", E1:E2)

この式では、「営業」部門に所属していて「売上」列に数値が入力されているレコードの数を数えます。
「佐藤」と「田中」の2件が対象となり、結果は2になります。
「鈴木」は売上が空白のためカウントされません。

7. 関連関数の紹介

  • DCOUNTA関数 – 数値に限らず非空セルの個数を条件付きで数える関数
  • DSUM関数 – 条件に一致する数値の合計を求める関数
  • DGET関数 – 条件に一致するレコードから単一の値を取得する関数
  • COUNTIF関数 – 範囲内で条件に一致するセルの個数をカウントする関数

8. まとめ

DCOUNT関数は、データベース形式の表から、条件を満たす数値データの件数を正確に集計するのに適した関数です。
特に数値のみをカウント対象とするため、データ入力の有無や入力漏れのチェックにも活用できます。
他のD関数と組み合わせて、より柔軟で詳細な集計が可能になります。

9. 対応バージョン

DCOUNT関数は、Excel 2003以降すべてのバージョンで使用可能です。
Microsoft 365、Excel for Mac、Web版Excelにも対応しています。