DAVERAGE関数 – その他

DAVERAGE関数 – データベース内の条件に一致するレコードの平均を求める関数


1. 使い方と活用例

DAVERAGE関数は、データベース形式の表に対して、指定した条件に合致するレコードのうち、特定の列の平均値を計算する関数です。
フィルタ機能のように、特定の条件を満たす行のみを対象に計算を行えるため、大量データの分析に便利です。

2. 基本の書式

=DAVERAGE(データベース, フィールド, 条件)

3. 引数の説明

  • データベース – 集計対象となる範囲。見出し行を含むデータ全体のセル範囲を指定する。
  • フィールド – 平均を計算する対象の列。列名(”売上” など)または列番号で指定できる。
  • 条件 – 条件を指定する範囲。少なくとも1つの見出しとその下の条件セルを含む。

4. 使用シーン

  • ある営業担当者の売上平均を求めたいとき
  • 特定の地域や月のデータだけを抽出して平均を取りたいとき
  • 複数の条件を組み合わせて、集計対象を絞り込みたいとき

5. 応用のポイント

条件には複数の列や複数行を設定でき、AND条件・OR条件のような柔軟な条件設定が可能です。
条件範囲は元のデータと同じ列見出しを使う必要があります。
フィールド引数を列番号で指定する場合は、データベース範囲内での左からの位置を1から数えます。

6. 具体例とその解説

=DAVERAGE(A1:D10, "売上", F1:F2)

この式は、A1からD10までのデータベースから、「売上」列の平均を計算します。
ただし、F1:F2に記載された条件に一致するレコードだけが対象になります。
たとえば、F1に「担当者」、F2に「田中」と記載されていれば、「担当者」列が「田中」の行の「売上」平均が計算されます。

7. 関連関数の紹介

  • DSUM関数 – 条件に一致するレコードの合計を求める関数
  • DCOUNT関数 – 条件に一致するレコードの個数を数える関数
  • DGET関数 – 条件に一致する1件のデータを取得する関数
  • AVERAGEIFS関数 – 複数条件で平均を求める関数(データベース形式でなくても使用可能)

8. まとめ

DAVERAGE関数は、条件に基づいて平均を算出する機能を備えたデータベース関数です。
柔軟な条件設定と、見出し付きのデータ構造に対応しているため、表形式の分析作業に適しています。
他のD関数(DSUM、DCOUNTなど)とあわせて使うと効果的です。

9. 対応バージョン

DAVERAGE関数は、Excelのすべての主要バージョン(Excel 2007以降)で使用可能です。
旧バージョンのExcelでも利用できるため、互換性の高い関数の一つです。