CUBEMEMBERPROPERTY関数 – キューブメンバーのプロパティを取得する関数
1. 使い方と活用例
CUBEMEMBERPROPERTY関数は、OLAPキューブ内の特定のメンバーが持つプロパティ情報(たとえば、キーや名前、説明など)を取得して表示するための関数です。
CUBEMEMBER関数で取得したメンバーに関連する追加情報を表示したいときに使用します。
2. 基本の書式
=CUBEMEMBERPROPERTY(connection, member_expression, property)
3. 引数の説明
- connection – OLAPキューブへの接続名を文字列で指定します(例:”SalesCube”)。
- member_expression – プロパティを取得したいキューブのメンバーをMDX形式で指定します。通常はCUBEMEMBER関数の参照を使います。
- property – 取得したいプロパティ名を文字列で指定します(例:”MEMBER_CAPTION”、”MEMBER_UNIQUE_NAME” など)。
4. 使用シーン
- キューブ内のメンバーに付随する情報(キー、名前、説明など)を表示したいとき
- レポート上でメンバーの詳細な識別情報を確認したいとき
5. 応用のポイント
CUBEMEMBERPROPERTY関数は、CUBEMEMBER関数の結果をそのまま第2引数に渡すことで、柔軟な情報抽出が可能になります。
プロパティ名は正確に入力する必要があり、存在しない場合は #N/A エラーが表示されます。
使用可能なプロパティには、”MEMBER_CAPTION”(表示名)、”MEMBER_UNIQUE_NAME”(一意名)、”MEMBER_KEY”(キー)などがあります。
6. 具体例とその解説
=CUBEMEMBERPROPERTY("SalesCube", CUBEMEMBER("SalesCube", "[製品].[カテゴリ].&[飲料]"), "MEMBER_UNIQUE_NAME")
この式は、「SalesCube」キューブから「[製品].[カテゴリ].&[飲料]」というメンバーの一意な名前(MEMBER_UNIQUE_NAME)を取得して表示します。
CUBEMEMBER関数をネストして使用することで、メンバー情報を動的に取得し、それに関連するプロパティを表示できます。
7. 関連関数の紹介
- CUBEMEMBER関数 – キューブから特定のメンバーまたはタプルを取得する関数
- CUBEVALUE関数 – 指定した条件に一致するキューブからの値を取得する関数
- CUBESET関数 – 条件に合致するメンバーの集合を定義する関数
- CUBEKPIMEMBER関数 – KPIの値や目標など、KPIの構成要素を取得する関数
8. まとめ
CUBEMEMBERPROPERTY関数は、キューブメンバーに関連する詳細情報を取得するための便利な関数です。
CUBEMEMBER関数と組み合わせて使用することで、より柔軟なレポート作成が可能になります。
プロパティ名は正確に指定する必要があり、接続環境が整っていない場合はエラーが発生するため注意が必要です。
9. 対応バージョン
Excel 2007以降で使用可能です。
OLAPキューブへの接続が必要で、PowerPivotやSQL Server Analysis Servicesとの連携環境が推奨されます。