CUBEKPIMEMBER関数 – キューブ

CUBEKPIMEMBER関数 – キーパフォーマンス指標(KPI)のメンバーを返す関数


1. 使い方と活用例

CUBEKPIMEMBER関数は、OLAPキューブ内に定義されたKPI(Key Performance Indicator)から、指定したKPIのプロパティ(値、目標値、状態など)を返します。
ExcelでOLAPサーバーに接続して分析を行う際に、KPIの要素をセルに表示するために使用されます。

2. 基本の書式

=CUBEKPIMEMBER(connection, kpi_name, kpi_property, )

3. 引数の説明

  • connection – データソースへの接続名を文字列で指定します。通常はPowerPivotやOLAPキューブ接続の名前です。
  • kpi_name – KPIの名前を文字列で指定します。
  • kpi_property – 取得したいKPIの要素を数値で指定します。次の値が使用可能です:
    • 1 – 値(Value)
    • 2 – 目標値(Goal)
    • 3 – ステータス(Status)
    • 4 – トレンド(Trend)
    • 5 – 重み(Weight)
    • 6 – 現在の状態(Current time member)
  • caption(省略可能) – セルに表示するキャプション(ラベル)を文字列で指定します。

4. 使用シーン

  • PowerPivotやSQL Server Analysis ServicesなどのOLAPキューブを使用している企業でのダッシュボード作成
  • KPIの進捗をExcel上で視覚的に確認したいとき

5. 応用のポイント

CUBEKPIMEMBER関数は他のCUBE関数と組み合わせることで、動的なレポートやダッシュボードを構築できます。
たとえば、CUBEVALUE関数と組み合わせて、KPIの「値」や「目標」を動的に取得するなどの応用が可能です。
OLAPサーバーに正しく接続されていない場合や、KPI名に誤りがある場合は、#NAME? エラーが表示されます。

6. 具体例とその解説

=CUBEKPIMEMBER("SalesCube", "[KPI 顧客満足度]", 1, "現在の満足度")

この式は、「SalesCube」というOLAP接続から、「KPI 顧客満足度」の現在の値(Value)を取得し、セルには「現在の満足度」と表示します。
この関数は、他のCUBE関数と連動させることで、KPIの評価情報をExcel上で動的に表示できます。

7. 関連関数の紹介

  • CUBEVALUE関数 – OLAPキューブから指定した条件に一致する値を取得する関数
  • CUBEMEMBER関数 – OLAPキューブからメンバーまたはタプルを返す関数
  • CUBEMEMBERPROPERTY関数 – メンバーの特定のプロパティの値を返す関数
  • CUBESET関数 – OLAPキューブからセットを定義して返す関数
  • CUBESETCOUNT関数 – CUBESETで定義されたセット内のアイテム数を返す関数

8. まとめ

CUBEKPIMEMBER関数は、OLAP環境下でKPIに関する要素(値、目標、状態など)をExcelで扱うために不可欠な関数です。
OLAP接続が有効であること、KPI名が正確であることが使用時の重要なポイントです。

9. 対応バージョン

Excel 2007以降で使用可能です。
CUBE関数群と同様に、データ接続とOLAPキューブが利用可能な環境が必要です。