CRITBINOM関数 – 指定した累積確率を満たす最小の成功回数（臨界値）を返す関数
1. 使い方と活用例
CRITBINOM関数は、指定された試行回数、成功確率、累積確率に基づいて、その確率を超えない最小の成功回数（臨界値）を返す関数です。
これは2項分布の逆関数として機能し、「ある確率以下となる最大の成功数」を求めたいときに使用されます。
2. 基本の書式
=CRITBINOM(試行回数, 成功確率, α)3. 引数の説明
- 試行回数 – 独立した試行の回数（正の整数）
- 成功確率 – 各試行における成功の確率（0以上1以下）
- α（累積確率） – 累積確率の上限（0以上1以下）
4. 使用シーン
- 製品検査や品質管理において、合格の上限値を設定したいとき
- ある信頼度で起こりうる成功回数の最大値（臨界値）を求めたいとき
- 2項検定の閾値を決定する際の基準値として
5. 応用のポイント
CRITBINOM関数は、指定された累積確率に対して、それを超えない最大の成功回数（整数）を返します。
つまり、「成功回数kにおいて、P(X ≤ k) ≧ α」となる最小のkを求める関数です。
この関数はExcel 2010以降では非推奨とされ、BINOM.INV関数が後継として導入されました。
6. 具体例とその解説
=CRITBINOM(100, 0.5, 0.95)
この式は、成功確率50%、試行回数100回の2項分布で、累積確率95%以下となる最大の成功回数を求めます。
結果は 60 となり、「成功回数が60以下になる確率が95%以上」であることを意味します。
7. 関連関数の紹介
- BINOM.INV関数 – CRITBINOM関数の後継。2項分布の逆関数
- BINOM.DIST関数 – 指定した成功回数の確率または累積確率を求める関数
- NORM.INV関数 – 正規分布の逆関数を返す関数
- CHISQ.INV関数 – カイ二乗分布の逆関数（左側）
8. まとめ
CRITBINOM関数は、2項分布において指定した累積確率に達するために必要な最小の成功回数（臨界値）を求める旧関数です。
現在は非推奨とされており、Excel 2010以降では後継の BINOM.INV関数 を使用することが推奨されます。
9. 対応バージョン
CRITBINOM関数は、Excel 2003〜2007で正式に使用されていました。
Excel 2010以降では旧関数として非推奨となり、後継の BINOM.INV関数 の使用が推奨されています。