CONFIDENCE.NORM関数 – 正規分布に基づく信頼区間の誤差幅を返す関数
1. 使い方と活用例
CONFIDENCE.NORM関数は、標本データに基づき、正規分布を前提とした母平均の信頼区間の誤差の範囲（信頼係数）を計算する関数です。
信頼区間を「標本平均 ± 信頼係数」の形で表すことで、母平均の推定における統計的な信頼性を示すことができます。
2. 基本の書式
=CONFIDENCE.NORM(α, 標準偏差, サンプル数)3. 引数の説明
- α（アルファ） – 有意水準（例：信頼水準95%なら α=0.05）。
- 標準偏差 – 母集団の標準偏差（既知の値）。
- サンプル数 – 標本のサイズ（1以上の整数）。
4. 使用シーン
- マーケティング調査の平均値の信頼区間を示したいとき
- 製造業で品質検査の結果に信頼区間を適用したいとき
- 標本から母平均を推定し、誤差の幅を知りたいとき
5. 応用のポイント
CONFIDENCE.NORM関数は、Z値（標準正規分布）を用いて計算されます。
求められた信頼係数（誤差の幅）を使って、信頼区間は次のように表します。
標本平均 ± CONFIDENCE.NORMの結果
なお、標本サイズが小さい場合（一般的に30未満）には、CONFIDENCE.T関数の使用が推奨されます。
6. 具体例とその解説
=CONFIDENCE.NORM(0.05, 1.5, 100)
信頼水準95%（α=0.05）、標準偏差1.5、標本数100の場合の信頼係数を求めます。
結果は 約0.294 となり、母平均の95%信頼区間は「標本平均 ± 0.294」となります。
7. 関連関数の紹介
- CONFIDENCE.T関数 – 小さな標本サイズに適した、t分布に基づく信頼区間計算関数
- CONFIDENCE関数 – CONFIDENCE.NORMの旧バージョン（非推奨）
- NORM.S.INV関数 – 標準正規分布の逆関数（Z値）を求める関数
- STDEV.P関数 / STDEV.S関数 – 標準偏差（母集団・標本）を求める関数
8. まとめ
CONFIDENCE.NORM関数は、正規分布を前提とした信頼区間の幅（信頼係数）を算出するための関数です。
統計解析や報告書作成で、標本平均の精度を示したいときに不可欠な関数です。
精度の高い分析を行いたい場合は、t分布対応の CONFIDENCE.T との使い分けが重要です。
9. 対応バージョン
CONFIDENCE.NORM関数は、Excel 2010以降のバージョンで使用可能です。
Microsoft 365、Excel for Mac、Web版Excelでも利用できます。
Excel 2007以前では使用できません（代替：CONFIDENCE関数）。