CHOOSEROWS関数 – 指定した行だけを抽出する関数
1. 使い方と活用例
CHOOSEROWS関数は、指定した配列またはセル範囲から特定の行だけを抽出して返す関数です。
表の一部を簡単に取り出したり、特定の行を再構成してレポートや別シートに表示したいときに便利です。
2. 基本の書式
=CHOOSEROWS(配列, 行番号1, [行番号2], ...)
3. 引数の説明
- 配列 – 抽出元となるセル範囲または配列を指定します。
- 行番号1, [行番号2], … – 抽出したい行の番号を指定します。上から1行目を「1」として数えます。複数指定可能です。
4. 使用シーン
- 表やデータベースから必要な行だけを取り出して表示したい場合
- 特定の条件に該当する行を手動で抜き出して整理したい場合
- スピル対応関数を活用した簡易レポートの作成
5. 応用のポイント
行番号には負の値も指定可能で、-1は「最後の行」、-2は「最後から2行目」を意味します。
複数の行を指定した順番通りに出力するため、データの並び替えにも応用できます。
列を抽出するには、対応する CHOOSECOLS関数
を使用します。
6. 具体例とその解説
=CHOOSEROWS(A1:D5, 1, 3)
この式では、範囲A1:D5から1行目と3行目を抽出して表示します。
列方向は元の範囲そのままで、指定した行だけが表示されます。
=CHOOSEROWS(A1:D5, -1)
この式は、最後の行(5行目)だけを抽出します。
7. 関連関数の紹介
- CHOOSECOLS関数 – 指定した列を抽出する関数
- INDEX関数 – 指定した行や列の値を取得する関数
- FILTER関数 – 条件に一致する行や列を抽出する関数
- TAKE関数 – 先頭または末尾の行や列を抽出する関数
8. まとめ
CHOOSEROWS関数は、配列や表の中から必要な行だけを柔軟に抽出できる便利な関数です。
従来はINDEX関数やフィルター関数と組み合わせていた処理が、簡単な構文で実現可能になります。
CHOOSECOLS関数などと併用することで、表の自由な再構成が可能となります。
9. 対応バージョン
CHOOSEROWS関数は、Microsoft 365(Excel for Microsoft 365)およびExcel 2021以降で使用可能です。
それ以前のバージョンでは利用できません。