CHISQ.DIST.RT関数 – 統計

CHISQ.DIST.RT関数 – カイ二乗分布の右側累積確率(p値)を返す関数


1. 使い方と活用例

CHISQ.DIST.RT関数は、指定されたカイ二乗値と自由度に基づいて、カイ二乗分布の右側累積確率(p値)を返す関数です。
これは統計検定において、観測値と期待値の差が偶然かどうかを評価するために用いられます。

2. 基本の書式

=CHISQ.DIST.RT(値, 自由度)

3. 引数の説明

  • – カイ二乗統計量(0以上の数値)を指定します。
  • 自由度 – カイ二乗分布における自由度(1以上の正の整数)を指定します。

4. 使用シーン

  • カイ二乗検定で得られた統計量に対応するp値を求めたいとき
  • 観測値と期待値の差が統計的に有意かどうかを判定したいとき
  • 検定結果の有意性をグラフや条件付き書式で可視化したいとき

5. 応用のポイント

CHISQ.DIST.RT関数は、カイ二乗分布の右端(右裾)にある確率、すなわち指定された統計量以上の値が出る確率を返します。
この値が小さい(例えば0.05未満)場合、観測結果が偶然によるものとは考えにくく、「統計的に有意」と判断されます。
左側累積確率を求めたい場合は、CHISQ.DIST関数(累積をTRUE指定)を使用します。

6. 具体例とその解説

=CHISQ.DIST.RT(10, 3)

自由度3のカイ二乗分布で、統計量が10であった場合のp値(右側確率)を返します。
結果は 約0.0186 となり、5%未満の有意水準で有意な結果と判断されます。

7. 関連関数の紹介

  • CHISQ.DIST関数 – カイ二乗分布の累積または密度を返す関数(累積をTRUE/FALSEで選択)
  • CHISQ.INV.RT関数 – 指定した右側確率に対応するカイ二乗値(臨界値)を返す関数
  • CHISQ.TEST関数 – 観測値と期待値に基づくカイ二乗検定(p値)を実行する関数
  • T.DIST.RT関数 – t分布の右側確率を返す関数

8. まとめ

CHISQ.DIST.RT関数は、カイ二乗統計量と自由度に基づいて右側累積確率(p値)を返す関数で、
統計的検定における有意性の判定に欠かせないツールです。
カイ二乗検定の結果を明確に解釈したいときや、統計グラフと連携させたいときに役立ちます。

9. 対応バージョン

CHISQ.DIST.RT関数は、Excel 2010以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Microsoft 365、Excel for Mac、Web版Excelにも対応しています。