CHITEST関数 – 観測値と期待値に基づいてカイ二乗検定のp値を返す関数
1. 使い方と活用例
CHITEST関数は、クロス集計表などの観測値と期待値に基づいて、独立性の検定または適合度検定におけるp値(有意確率)を返す関数です。
このp値を用いて、カテゴリ間に統計的な関連性があるかどうかを評価します。
2. 基本の書式
=CHITEST(観測範囲, 期待範囲)
3. 引数の説明
- 観測範囲 – 実際に観測されたデータのセル範囲を指定します。
- 期待範囲 – 各セルに対応する期待値を指定します。
4. 使用シーン
- 製品カテゴリ別の購入数と期待される購入数の比較
- アンケート結果で性別と回答傾向に関連があるかの検定
- 2つのカテゴリが独立であるかを統計的に判断したいとき
5. 応用のポイント
CHITEST関数は、2つの範囲を比較し、カイ二乗統計量に基づく右側確率(p値)を返します。
この関数の結果(p値)が小さいほど、観測値と期待値の差が「偶然では説明できない」と判断され、統計的に有意であると見なされます。
Excel 2010以降では、CHISQ.TEST関数が後継関数として提供されており、CHITEST関数は非推奨です。
6. 具体例とその解説
以下の表を例とします。
商品A | 商品B | |
---|---|---|
男性 | 20 | 30 |
女性 | 25 | 25 |
上記の観測データに対して、以下のような期待値範囲を計算または指定したと仮定し
=CHITEST(B2:C3, B5:C6)
この式は、観測値(B2:C3)と期待値(B5:C6)に基づいて、カイ二乗検定のp値を返します。
結果のp値が0.05未満であれば、5%の有意水準で「性別と購入傾向は独立でない」と判断されます。
7. 関連関数の紹介
- CHISQ.TEST関数 – CHITEST関数の後継。観測値と期待値からp値を返す関数
- CHISQ.DIST.RT関数 – カイ二乗分布の右側確率(p値)を返す関数
- CHISQ.INV.RT関数 – 指定したp値に対応するカイ二乗値(臨界値)を返す関数
- T.TEST関数 – t検定におけるp値を返す関数
8. まとめ
CHITEST関数は、観測値と期待値の差が統計的に有意かどうかを判断するための旧関数です。
Excel 2010以降は非推奨となっており、CHISQ.TEST関数の使用が推奨されます。
既存の古いブックとの互換性が必要な場合を除き、最新関数への移行が望ましいです。
9. 対応バージョン
CHITEST関数は、Excel 2003〜2007で正式に使用されていました。
Excel 2010以降でも旧関数として利用可能ですが非推奨となっており、代替として CHISQ.TEST関数 の使用が推奨されています。