CHIINV関数 – 指定した確率に対応するカイ二乗値を返す関数
1. 使い方と活用例
CHIINV関数は、指定した確率と自由度に基づいて、カイ二乗分布の逆関数(右裾値)を計算する関数です。
主に統計解析において、観測データが理論分布とどの程度一致しているかを検定するために使われます。
2. 基本の書式
=CHIINV(確率, 自由度)
3. 引数の説明
- 確率 – 対応するカイ二乗値を求めたい右側確率(0~1の範囲)を指定します。
- 自由度 – カイ二乗分布の自由度を指定します。正の整数値です。
4. 使用シーン
- 適合度検定や分散分析などで、臨界値を求めたいとき
- p値に基づいて統計的判断を行うための逆計算に使用したいとき
5. 応用のポイント
CHIINV関数は右裾確率に対応するカイ二乗値を返します。
たとえば、有意水準5%のときに臨界値を求める場合は「0.05」を指定します。
Excel 2010以降では、CHISQ.INV.RT関数が後継関数として推奨されており、CHIINV関数は下位互換の目的で残されています。
6. 具体例とその解説
=CHIINV(0.05, 10)
この式では、自由度10における右側確率5%(有意水準0.05)のカイ二乗臨界値を求めます。
結果は 18.307 となり、これは自由度10のカイ二乗分布において上位5%の範囲に入る値です。
7. 関連関数の紹介
- CHISQ.INV.RT関数 – CHIINV関数の後継関数(右裾の逆関数)
- CHISQ.DIST.RT関数 – カイ二乗分布の右裾確率を求める関数
- CHISQ.TEST関数 – 観測値と期待値に基づいたカイ二乗検定を行う関数
- T.INV関数 – t分布における逆関数を求める関数
8. まとめ
CHIINV関数は、指定した確率に対して対応するカイ二乗値を計算するための旧関数です。
Excel 2010以降では非推奨となっており、CHISQ.INV.RT関数への移行が推奨されます。
しかし、古いブックとの互換性が必要な場合には今でも有効な関数です。
9. 対応バージョン
CHIINV関数は、Excel 2003~2007で正式にサポートされています。
Excel 2010以降では下位互換のために利用可能ですが非推奨とされており、代わりに CHISQ.INV.RT関数の使用が推奨されています。