CEILING.PRECISE関数 – 数値を指定した倍数の最も近い「切り上げ値」に丸める関数
1. 使い方と活用例
CEILING.PRECISE関数は、指定した数値を、指定した倍数の最も近い切り上げ方向の倍数に丸める関数です。
この関数は常にゼロから遠ざかる方向に切り上げるため、正負を問わず一貫した丸め処理が可能です。
2. 基本の書式
=CEILING.PRECISE(数値, [基準値])
3. 引数の説明
- 数値 – 丸めたい対象の数値を指定します。
- 基準値(省略可能) – 切り上げの単位(倍数)を指定します。省略した場合は「1」とみなされます。
4. 使用シーン
- 商品の金額を常に一定単位で切り上げたいとき(例:10円単位での端数処理)
- 負の値も含む数値データに対して、方向を統一して切り上げ処理を行いたいとき
5. 応用のポイント
CEILING.PRECISE関数は、ゼロから離れる方向への切り上げを行う点が特徴です。
たとえば -2.3 を 1 単位で丸めると -3 になります(負方向への切り上げ)。
一方、CEILING関数は符号によって挙動が変わるため、常に一定方向へ丸めたい場合には CEILING.PRECISE の方が適しています。
6. 具体例とその解説
=CEILING.PRECISE(4.3, 2)
4.3 を 2 の倍数で切り上げると、次の倍数である 6 が返されます。
=CEILING.PRECISE(-4.3, 2)
-4.3 を 2 の倍数で切り上げると、ゼロから離れる方向の -6 が返されます。
=CEILING.PRECISE(3.2)
基準値を省略すると、1単位で切り上げ処理され、結果は 4 になります。
7. 関連関数の紹介
- CEILING関数 – 指定の倍数で切り上げるが、符号に依存して挙動が変わる関数
- FLOOR.PRECISE関数 – CEILING.PRECISEと逆方向(ゼロに近づける)に丸める関数
- MROUND関数 – 最も近い倍数に丸める関数(切り上げ・切り捨て両対応)
- ROUNDUP関数 – 指定の桁数で常に切り上げる関数
8. まとめ
CEILING.PRECISE関数は、数値を常にゼロから遠ざける方向に切り上げるため、負の数値を含む処理でも安定した丸めが可能です。
CEILING関数との違いを理解し、場面に応じて使い分けることが精度の高い数値処理につながります。
9. 対応バージョン
CEILING.PRECISE関数は、Excel 2013以降のバージョンで使用可能です。
Microsoft 365、Excel for Mac、Web版Excelでも対応しています。