CEILING関数 – 数値を指定した倍数の最も近い「切り上げ値」に丸める関数
1. 使い方と活用例
CEILING関数は、指定した数値を、指定した倍数の最も近い切り上げ方向の倍数に丸める関数です。
正の数では期待どおりに動作しますが、負の数の挙動は複雑であり、後継関数の使用が推奨されています。
2. 基本の書式
=CEILING(数値, 基準値)
3. 引数の説明
- 数値 – 丸め対象の数値を指定します。
- 基準値 – 丸めたい倍数(単位)を指定します。正の数値を推奨。
4. 使用シーン
- 販売価格などを一定単位(例:100円単位)で切り上げたいとき
- 端数処理が必要な金額や数量の計算を行いたいとき
5. 応用のポイント
CEILING関数は、引数「数値」と「基準値」の符号が一致している必要があります。
異なる符号を指定すると #NUM! エラーが発生します。
この挙動が分かりづらいため、Excel 2013以降では後継の CEILING.MATH関数 や CEILING.PRECISE関数 の使用が推奨されています。
6. 具体例とその解説
=CEILING(4.3, 2)
4.3 を 2 の倍数に切り上げ → 6
=CEILING(-4.3, -2)
-4.3 を -2 の倍数に切り上げ → -4
※「数値」と「基準値」の符号が同じなのでOK
=CEILING(-4.3, 2)
この式は #NUM! エラーになります。
「数値」と「基準値」の符号が異なるためです。
7. 関連関数の紹介
- CEILING.MATH関数 – CEILING関数の後継。正負に関係なく柔軟に切り上げ可能
- CEILING.PRECISE関数 – 常にゼロから遠ざける方向に切り上げる関数
- FLOOR関数 – 指定倍数で切り捨てる関数(こちらも旧関数)
- MROUND関数 – 指定倍数の最も近い値に丸める関数
8. まとめ
CEILING関数は、数値を任意の倍数に切り上げる基本的な丸め関数ですが、符号に関する制限があるため注意が必要です。
Excel 2013以降ではより柔軟な処理が可能な CEILING.MATH関数 などへの置き換えが推奨されています。
9. 対応バージョン
CEILING関数は、Excel 2003以降すべてのバージョンで使用可能です。
Excel 2013以降では旧関数として非推奨となっており、代わりに CEILING.MATH関数 または CEILING.PRECISE関数 の使用が推奨されています。