BYCOL関数 – 列ごとに処理を適用して結果を返す動的配列関数
1. 使い方と活用例
BYCOL関数は、指定した配列または範囲の各列に対して関数や式を適用し、その結果を配列として返す関数です。
列単位での集計処理や条件付き変換など、繰り返しの処理を簡潔に実行できるのが特徴です。
2. 基本の書式
=BYCOL(配列, 列ごとの処理)3. 引数の説明
- 配列 – 処理対象となるセル範囲または配列を指定します。
- 列ごとの処理 – 各列に適用するラムダ式（LAMBDA関数）を指定します。
4. 使用シーン
- 各列の合計や平均などを一括で計算したいとき
- 複雑なロジックや条件付き処理を列単位で行いたいとき
- 集計結果を自動的に横並びで取得したいとき
5. 応用のポイント
BYCOL関数では、LAMBDA関数と組み合わせて各列に処理を適用します。
LAMBDA関数の引数には1列の範囲が渡され、その範囲に対して任意の数式を記述できます。
集計（SUM、AVERAGEなど）や文字列操作（TEXTJOINなど）も簡潔に実装できます。
6. 具体例とその解説
=BYCOL(A1:C3, LAMBDA(col, SUM(col)))
この式は、A1:C3 の各列に対して SUM を適用し、列ごとの合計値を横方向の配列として返します。
=BYCOL(A1:C3, LAMBDA(col, TEXTJOIN("/", TRUE, col)))この式では、各列の値を「/」区切りで結合し、横並びの文字列配列として返します。
7. 関連関数の紹介
- BYROW関数 – 各行に対して関数を適用する動的配列関数
- MAP関数 – 配列の要素ごとに関数を適用できる関数
- LAMBDA関数 – 任意の関数処理を定義できる関数
- SCAN関数 – 漸化的な処理を配列に適用する関数
8. まとめ
BYCOL関数は、列単位の繰り返し処理をシンプルに記述できる動的配列関数です。
LAMBDA関数との組み合わせによって、従来では複雑だった列ごとの集計や変換処理がスマートに実装できます。
列集計を行う頻度の高い表計算や分析業務において、非常に有効な関数です。
9. 対応バージョン
BYCOL関数は、Microsoft 365 および Excel 2021 以降で使用可能です。
それ以前のバージョン（Excel 2019 以前）では使用できません。