BITRSHIFT関数 – 数値のビットを右にシフトする関数
1. 使い方と活用例
BITRSHIFT関数は、指定した非負整数のビットを、指定した桁数分だけ右にシフトし、その結果の値を返す関数です。
右シフトは、ビット全体を右にずらす操作で、1回のシフトで元の数値を 2 で割った整数値になります。
2. 基本の書式
=BITRSHIFT(数値, シフト数)
3. 引数の説明
- 数値 – ビットをシフトする対象の非負整数(10進数)を指定します。
- シフト数 – 右にシフトする桁数(0以上の整数)を指定します。
4. 使用シーン
- 2のべき乗による除算をビット単位で効率的に行いたいとき
- フラグやビットマスク処理でビット位置をずらしたいとき
- プログラミング的な論理操作をExcel上で再現したいとき
5. 応用のポイント
BITRSHIFT関数では、右シフトすることで各ビットが右にずれ、末尾のビットは削除され、先頭には0が補われます。
シフト数が大きすぎると結果は0になります。負のシフト数を指定するとエラーになります。
1回の右シフトは「整数除算 ÷2」に相当します(切り捨て)。
6. 具体例とその解説
=BITRSHIFT(16, 1)
16 = 10000(2進数) → 右に1ビットシフト → 01000 = 8
=BITRSHIFT(20, 2)
20 = 10100 → 右に2ビット → 00101 = 5
=BITRSHIFT(7, 3)
7 = 0111 → 右に3ビット → 0000 = 0
7. 関連関数の紹介
- BITLSHIFT関数 – ビットを左にシフトする関数(×2 の累乗)
- BITXOR関数 – ビットごとのXOR(排他的論理和)を返す関数
- BITAND関数 – ビットごとのAND(論理積)を返す関数
- BITOR関数 – ビットごとのOR(論理和)を返す関数
8. まとめ
BITRSHIFT関数は、数値のビットを右にずらすことで、2の累乗単位の除算やフラグ処理を効率的に行える関数です。
ビット演算を必要とする技術系のExcel処理やデータ制御において、他のビット関数と組み合わせて強力なツールになります。
9. 対応バージョン
BITRSHIFT関数は、Excel 2013以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Microsoft 365、Excel for Mac、Web版Excelにも対応しています。