BITLSHIFT関数 – エンジニアリング

BITLSHIFT関数 – 数値のビットを左にシフトする関数


1. 使い方と活用例

BITLSHIFT関数は、指定した非負整数のビットを指定した桁数だけ左にシフトし、その結果の数値を返す関数です。
左に1ビットシフトするごとに、元の数値は 2倍 になります。
主にビット演算や制御信号処理、2の累乗計算などで利用されます。

2. 基本の書式

=BITLSHIFT(数値, シフト数)

3. 引数の説明

  • 数値 – ビットを左にシフトする対象の非負整数(10進数)を指定します。
  • シフト数 – 左にシフトするビット数(0以上の整数)を指定します。

4. 使用シーン

  • 2の累乗を利用した数値のスケーリング(×2, ×4, ×8など)を行いたいとき
  • ビットマスクやフラグ操作においてビット位置を調整したいとき
  • 論理演算処理や組込みシステム風の処理をExcelで実装したいとき

5. 応用のポイント

BITLSHIFT関数では、ビット列を左にずらすことで、数値を 数値 × 2^シフト数 の形で倍増させます。
末尾には0が補われ、先頭のビットが超過した場合は切り捨てられます。
負のシフト数を指定するとエラーになります。

6. 具体例とその解説

=BITLSHIFT(5, 1)

5 = 0101(2進数) → 左に1ビットシフト → 1010 = 10

=BITLSHIFT(3, 3)

3 = 0011 → 左に3ビットシフト → 11000 = 24

=BITLSHIFT(1, 8)

1 を 8ビット左シフト → 1 × 2⁸ = 256

7. 関連関数の紹介

  • BITRSHIFT関数 – 指定したビット数だけ右にシフトする関数(÷2 の累乗)
  • BITAND関数 – ビットごとのAND(論理積)を返す関数
  • BITOR関数 – ビットごとのOR(論理和)を返す関数
  • BITXOR関数 – ビットごとのXOR(排他的論理和)を返す関数

8. まとめ

BITLSHIFT関数は、数値を2の累乗倍に拡張したり、ビット位置を制御する際に便利な関数です。
ビット演算や制御系の処理をExcelで扱いたい場面において、他のBIT系関数と組み合わせることで、より高度な処理が可能になります。

9. 対応バージョン

BITLSHIFT関数は、Excel 2013以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Microsoft 365、Excel for Mac、Web版Excelにも対応しています。