BETA.INV関数 – 統計

BETA.INV関数 – 累積ベータ分布の逆関数(パーセンタイル値)を返す関数


1. 使い方と活用例

BETA.INV関数は、累積ベータ分布の確率に対応する x の値(パーセンタイル)を返す関数です。
この関数は、ベイズ統計、信頼区間、品質管理などで、一定の確率以下となるしきい値を求めたいときに使用されます。

2. 基本の書式

=BETA.INV(確率, α, β, A, B)

3. 引数の説明

  • 確率 – 累積確率(0〜1の範囲の数値)。
  • α(アルファ) – ベータ分布の第1形状パラメータ(正の実数)。
  • β(ベータ) – ベータ分布の第2形状パラメータ(正の実数)。
  • A – 分布の最小値(下限)。
  • B – 分布の最大値(上限)。

4. 使用シーン

  • ベイズ推定で、ある確率に対応する予測値やしきい値を求めたいとき
  • 製品の合格率が一定の信頼度を超える値を逆算したいとき
  • 品質管理における分位点や限界値の設定

5. 応用のポイント

BETA.INV関数は BETA.DIST関数 の逆関数です。
例えば、累積確率が95%となる境界値を求めたい場合に適しています。
ベータ分布の形状は αβ によって大きく変化し、A~Bの区間内で結果が出力されます。
確率が0未満または1より大きい場合、#NUM! エラーになります。

6. 具体例とその解説

=BETA.INV(0.95, 2, 5, 0, 1)

標準ベータ分布(0~1)で、95%の累積確率に対応する x の値(95パーセンタイル)を求めます。結果は 約0.712

=BETA.INV(0.8, 3, 4, 10, 20)

下限10、上限20の範囲におけるベータ分布で、80%に対応する値を求めます。結果は 約17.21

7. 関連関数の紹介

  • BETA.DIST関数 – ベータ分布の確率密度または累積確率を返す関数
  • BETAINV関数 – BETA.INVの旧バージョン(非推奨)
  • NORM.INV関数 – 正規分布のパーセンタイル値を求める関数
  • GAMMA.INV関数 – ガンマ分布の逆関数を返す関数

8. まとめ

BETA.INV関数は、ベータ分布に基づいた確率の逆計算(パーセンタイル)を行いたいときに活用される関数です。
信頼区間の境界やしきい値設定、割合ベースの統計的推論に非常に有用です。
BETAINV関数の後継であり、より正確かつ柔軟に対応できます。

9. 対応バージョン

BETA.INV関数は、Excel 2010以降で使用可能です。
Microsoft 365、Excel for Mac、Web版Excelにも対応しています。
Excel 2007以前では使用できません。