BESSELY関数 – 第2種ベッセル関数(ベッセル関数Yₙ)の値を返す関数
1. 使い方と活用例
BESSELY関数は、指定した実数に対する第2種ベッセル関数 Yₙ(x)(Bessel Function of the Second Kind)の値を返す関数です。
この関数は、円筒座標系の物理現象(波動、振動、伝導など)の解析に使われ、J関数と対になる特異解として重要な役割を果たします。
2. 基本の書式
=BESSELY(X, N)
3. 引数の説明
- X – ベッセル関数を計算する対象の実数値。0 より大きい数値を指定します。
- N – ベッセル関数の次数(階数)を表す非負の数値。通常は整数。
4. 使用シーン
- 電気回路や構造力学における共振解析・変位計算
- 円筒形・球状対象の波動方程式の解に
- 物理・工学分野の研究やシミュレーションにおける特殊関数の評価
5. 応用のポイント
BESSELY関数は、BESSELJ関数(第1種ベッセル関数)と共に、ベッセル微分方程式の一般解を構成します。
Yₙ(x) は x = 0 で特異点(値が無限大に発散)を持つため、X = 0
を指定すると #NUM! エラーになります。
次数 N には実数も指定できますが、実務上は整数で使うのが一般的です。
6. 具体例とその解説
=BESSELY(1, 0)
Y₀(1) を求めます。結果は 約0.0883。
=BESSELY(2.5, 1)
Y₁(2.5) を求めます。結果は 約0.1452。
=BESSELY(0, 0)
X に 0 を指定した場合、Y 関数は定義されないため、#NUM! エラーが返されます。
7. 関連関数の紹介
- BESSELJ関数 – 第1種ベッセル関数(Jₙ)を返す関数
- BESSELI関数 – 第1種変形ベッセル関数(Iₙ)を返す関数
- BESSELK関数 – 第2種変形ベッセル関数(Kₙ)を返す関数
- EXP関数 – 指数関数 e^x を返す関数
8. まとめ
BESSELY関数は、特殊関数 Yₙ(x) を求めるための高度な数学関数です。
ベッセル関数の中でも特異解を表現する際に使用され、物理学・工学・信号解析などで重要な役割を果たします。
9. 対応バージョン
BESSELY関数は、Excel 2003以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Microsoft 365、Excel for Mac、Web版Excelでも対応しています。