BESSELK関数 – 第2種変形ベッセル関数(Kₙ)の値を返す関数
1. 使い方と活用例
BESSELK関数は、指定した実数に対する第2種変形ベッセル関数 Kₙ(x)(Modified Bessel Function of the Second Kind)の値を返します。
この関数は、指数的減衰や熱伝導、電磁場の解析など、工学・物理分野の数式モデルで頻繁に利用されます。
2. 基本の書式
=BESSELK(X, N)
3. 引数の説明
- X – 関数を評価する実数。正の数のみ有効です(0以下では #NUM! エラー)。
- N – ベッセル関数の次数(階数)を表す数値(通常は 0 以上の整数)。
4. 使用シーン
- 熱伝導や拡散方程式における指数的減衰を扱うモデル
- 電磁波や波動の吸収・遮断に関する数理解析
- 金融工学や物理理論モデルにおける特殊関数処理
5. 応用のポイント
BESSELK関数は、ベッセル関数の変形版である Kₙ(x) を返し、x が増加するにつれて急速に減衰する性質を持ちます。
特に、x が小さいときは関数値が急激に増加するため、数値計算では桁あふれに注意が必要です。
x = 0 のときや負の値を指定すると #NUM! エラーとなります。
6. 具体例とその解説
=BESSELK(1, 0)
第0次の第2種変形ベッセル関数 K₀(1) を求めます。結果は 約0.4210。
=BESSELK(2.5, 1)
x = 2.5、次数1の K₁(2.5) を返します。結果は 約0.1273。
=BESSELK(0, 1)
x = 0 は定義域外のため、結果は #NUM! エラー。
7. 関連関数の紹介
- BESSELI関数 – 第1種変形ベッセル関数(Iₙ)を返す関数
- BESSELJ関数 – 第1種ベッセル関数(Jₙ)を返す関数
- BESSELY関数 – 第2種ベッセル関数(Yₙ)を返す関数
- EXP関数 – 指数関数 e^x を返す関数
8. まとめ
BESSELK関数は、指数的減衰を伴う現象に対応する特殊関数 Kₙ(x) を求めるための関数で、工学、物理、金融など多くの高度な数式モデルで利用されます。
特に x が小さいときの挙動や定義域に注意して使用することが重要です。
9. 対応バージョン
BESSELK関数は、Excel 2003以降すべてのバージョンで使用可能です。
Microsoft 365、Excel for Mac、Web版Excelでも対応しています。