AVERAGEIFS関数 – 統計

AVERAGEIFS関数 – 複数の条件を満たすセルの平均を求める関数


1. 使い方と活用例

AVERAGEIFS関数は、複数の条件をすべて満たすセルに対応する値の平均を求める関数です。
例えば、「売上が10万円以上、かつ地域が東京のデータだけの平均」を求めるなど、詳細な絞り込みが必要な分析に活用されます。

2. 基本の書式

=AVERAGEIFS(平均範囲, 条件範囲1, 条件1, [条件範囲2, 条件2], …)

3. 引数の説明

  • 平均範囲 – 平均を計算したいセル範囲。
  • 条件範囲1 – 条件1 を適用するセル範囲。
  • 条件1 – 条件範囲1 に対する評価条件(例:”東京”、”>=100000″)。
  • 条件範囲2以降 – 追加の条件範囲と条件をペアで指定します(最大127条件まで可)。

4. 使用シーン

  • 売上や成績などを「部門」「地域」「日付」など複数条件で絞って平均を取りたいとき
  • アンケート集計で「女性」かつ「20代」の満足度の平均を取りたいとき
  • 品質管理や営業実績の分析など、条件付きで傾向を探りたいとき

5. 応用のポイント

条件は文字列として指定する場合は ">=100" のように引用符 " " で囲みます。
セル参照を使う場合は ">"&A1 のように文字列を連結して動的に指定することも可能です。
条件が1つだけなら AVERAGEIF関数 を使う方が簡潔です。

6. 具体例とその解説

=AVERAGEIFS(D2:D10, B2:B10, "東京", C2:C10, ">=100000")

D列の売上データのうち、B列が「東京」かつ C列が10万円以上の行に対する平均を計算します。

=AVERAGEIFS(A2:A10, B2:B10, "男性", C2:C10, "営業部")

A列(得点など)のうち、B列が「男性」かつ C列が「営業部」に該当する行の平均を求めます。

=AVERAGEIFS(A2:A100, B2:B100, "<>", C2:C100, "<>")

B列・C列の両方が空白でない行のA列データの平均を求めます。

7. 関連関数の紹介

  • AVERAGEIF関数 – 単一条件で平均を求める関数
  • SUMIFS関数 – 複数条件で合計を求める関数
  • COUNTIFS関数 – 複数条件で件数をカウントする関数
  • IF関数 + AVERAGE関数 – 条件を関数内で柔軟に制御する手法

8. まとめ

AVERAGEIFS関数は、複数条件を同時に満たすデータの平均を求めるのに最適な関数です。
条件の組み合わせによって柔軟なデータ抽出が可能で、ビジネス分析やデータ可視化の土台として欠かせない関数です。

9. 対応バージョン

AVERAGEIFS関数は、Excel 2007以降のバージョンで使用可能です。
Microsoft 365、Excel for Mac、Web版Excelでも対応しています。
Excel 2003以前では使用できません。

10. 関連記事

AVERAGE / AVERAGEA / AVERAGEIF / AVERAGEIFS の違いとは?使い分け完全ガイド