ASINH関数 – 数学/三角

ASINH関数 – 数値の双曲線逆正弦(アークハイパボリックサイン)を求める関数


1. 使い方と活用例

ASINH関数は、指定した数値に対する双曲線逆正弦(アークハイパボリックサイン)の値を返す関数です。
双曲線関数は、物理学や工学、金融数学などでよく使われる関数で、ASINH関数はその逆演算として利用されます。
特に、大きな値でも急激に変化しない性質から、データのスケーリングや変換などに役立ちます。

2. 基本の書式

=ASINH(number)

3. 引数の説明

  • number – 双曲線逆正弦を求めたい実数。負の値や0も指定可能です。

4. 使用シーン

  • データの非線形変換や正規化を行いたいとき
  • 物理学や工学で双曲線関数を用いた解析を行うとき
  • 数値が非常に大きく、対数変換の代替として使いたいとき

5. 応用のポイント

ASINH関数は、次の数式と等価です。

ASINH(x) = LN(x + SQRT(x^2 + 1))

負の数を入力してもエラーにならず、そのまま実数として処理されるため、LOG関数のように「正の数でなければならない」といった制限がありません。
対称性のあるデータの変換に便利です。

6. 具体例とその解説

=ASINH(1)

この式は、1 の双曲線逆正弦を求めます。
結果は約 0.8814 になります。

=ASINH(-2)

この式は、-2 の双曲線逆正弦を求めます。
結果は約 -1.4436 になり、符号もそのまま保持されます。

7. 関連関数の紹介

  • SINH関数 – 指定した数値の双曲線正弦を返す関数
  • ACOSH関数 – 双曲線逆余弦(ACOSH)を返す関数(x ≥ 1)
  • ATANH関数 – 双曲線逆正接を返す関数(-1 < x < 1)
  • LN関数 – 自然対数を返す関数(ASINHの内部式に使用)

8. まとめ

ASINH関数は、双曲線関数に関連した逆演算を行う数式であり、数値の変換やスケーリング、対数の代替手法として多様な分野で活用されます。
正負の値を問わず使えるため、対称的なデータ処理に適しています。

9. 対応バージョン

Excel 2013以降で使用可能です。
それ以前のバージョンでは利用できません。