ADDRESS関数 – 指定した行番号と列番号からセル参照を文字列で返す関数
1. 使い方と活用例
ADDRESS関数は、指定された行番号と列番号に基づいてセル参照のアドレス(例:”A1″, “$B$2″)を文字列として返す関数です。
セルの位置を動的に指定したいときや、INDIRECT関数などと組み合わせて柔軟なセル参照を作成する際に使います。
2. 基本の書式
=ADDRESS(行番号, 列番号, [参照の種類], [A1形式], [シート名])
3. 引数の説明
- 行番号 – セルの行を数値で指定します(例:1 は1行目)。
- 列番号 – セルの列を数値で指定します(例:1 は列A、2 は列B)。
- 参照の種類(省略可)–
- 1 または省略:絶対参照(例:$A$1)
- 2:行は絶対、列は相対(例:A$1)
- 3:行は相対、列は絶対(例:$A1)
- 4:相対参照(例:A1)
- A1形式(省略可)– 参照形式を指定。
- TRUE または省略:A1形式(列が文字、行が数字)
- FALSE:R1C1形式(行列ともに数字)
- シート名(省略可)– シート名を指定すると、結果にシート名も含まれます。
4. 使用シーン
- 指定された位置のセル参照(アドレス)を文字列として取得したいとき
- INDIRECT関数と組み合わせてセル参照を動的に作りたいとき
- シート名を含めたセル位置を関数で管理したいとき
5. 応用のポイント
ADDRESS関数はあくまで文字列としてセルアドレスを返すため、直接そのセルの値を参照するには、INDIRECT関数と併用する必要があります。
また、R1C1形式にしたい場合は、FALSE
を第4引数に設定します。
6. 具体例とその解説
=ADDRESS(3, 2)
3行2列(セルB3)の絶対参照を返します。結果は “$B$3”。
=ADDRESS(3, 2, 4)
相対参照(参照の種類4)で B3 を返します。結果は “B3”。
=ADDRESS(3, 2, 1, FALSE)
R1C1形式で絶対参照を返します。結果は “R3C2”。
=ADDRESS(5, 1, 1, TRUE, "売上表")
“売上表” シートのA5セルの絶対参照を返します。結果は “売上表!$A$5”。
7. 関連関数の紹介
- INDIRECT関数 – ADDRESS関数の結果をセル参照として実際に使う関数
- ROW関数 – 指定セルの行番号を返す関数
- COLUMN関数 – 指定セルの列番号を返す関数
- OFFSET関数 – 基準セルからの相対位置にあるセルを参照する関数
8. まとめ
ADDRESS関数は、行と列の番号からセルアドレスを文字列として返す便利な関数です。
動的な参照の生成やシートをまたぐ参照など、柔軟なセル操作に役立ちます。
INDIRECT関数と組み合わせることで、より実用的に活用できます。
9. 対応バージョン
ADDRESS関数は、Excel 2003以降すべてのバージョンで使用可能です。
Microsoft 365、Excel for Mac、Web版Excelでも対応しています。