ACOTH関数 – 双曲線余接関数の逆関数(アークハイパーボリックコタンジェント)を返す関数
1. 使い方と活用例
ACOTH関数は、指定した数値に対する双曲線余接関数(coth)の逆関数(acoth)の値をラジアン単位で返す関数です。
双曲線関数を使った数学的モデル、統計計算、物理学的な計算で使用される専門的な関数です。
2. 基本の書式
=ACOTH(数値)
3. 引数の説明
- 数値 – acoth を計算するための数値。絶対値が 1 より大きい数である必要があります。
4. 使用シーン
- 双曲線余接関数を含む式の逆計算をしたいとき
- 物理や工学の解析における関数変換を行いたいとき
- 統計的なフィッティングや数理モデルにおける特殊関数の計算
5. 応用のポイント
ACOTH関数は、以下の式で計算されます:
acoth(x) = 0.5 × LN((x + 1) / (x − 1))
この関数は、|x| > 1 のときにのみ定義されます。1や−1、またはその間の数値を指定すると、#NUM! エラーになります。
入力値に注意しながら使用することが重要です。
6. 具体例とその解説
=ACOTH(2)
2 に対する acoth の値を求めます。結果は 約0.5493。
=ACOTH(-3)
−3 に対する acoth の値を求めます。結果は 約−0.3466。
=ACOTH(0.5)
絶対値が 1 未満のため、#NUM! エラーになります。
7. 関連関数の紹介
- COTH関数 – 双曲線余接関数(coth)を返す関数
- ATANH関数 – 双曲線正接関数の逆関数(atanh)を返す関数
- LN関数 – 自然対数(e を底とする対数)を求める関数
- ACOSH関数 – 双曲線余弦関数の逆関数(acosh)を返す関数
8. まとめ
ACOTH関数は、双曲線余接関数の逆関数を求めるための関数で、数学的に高度な計算や関数解析を行う際に役立ちます。
定義域(|x| > 1)を守ることが正しい使用の鍵となります。
9. 対応バージョン
ACOTH関数は、Excel 2013以降のバージョンで使用可能です。
Microsoft 365、Excel for Mac、Web版Excelにも対応しています。
Excel 2010以前では使用できません。