ACOS関数 – 指定した数値のアークコサイン(逆余弦)をラジアンで返す関数
1. 使い方と活用例
ACOS関数は、指定した数値に対するアークコサイン(逆余弦)の値をラジアン単位で返す関数です。
三角関数の逆演算として、コサイン値から角度(ラジアン)を求める際に使用されます。
幾何学的な角度計算や、ベクトルの内積を用いた角度測定などに応用されます。
2. 基本の書式
=ACOS(number)
3. 引数の説明
- number – 逆余弦を求めたい値(-1以上1以下の範囲の数値)を指定します。
4. 使用シーン
- 三角関数に基づいた角度の逆算が必要なとき
- 2ベクトル間の角度を計算したいとき(内積と大きさを使って)
- コサイン値から角度を求めて幾何学的な処理を行いたいとき
5. 応用のポイント
ACOS関数はラジアンで値を返すため、DEGREES関数を使って度(°)に変換することが一般的です。
逆に、度からコサインを使うには、COS(RADIANS(角度))のように、角度をラジアンに変換する必要があります。
また、引数が -1 未満または 1 を超える場合はエラー(#NUM!)になります。
6. 具体例とその解説
=ACOS(0.5)
この式は、cos(θ)=0.5 となる角度θをラジアンで返します。
結果は約 1.0472 で、これは60度(π/3ラジアン)に相当します。
=DEGREES(ACOS(0.5))
この式は、ラジアンで返された角度を度に変換し、結果として 60° を返します。
7. 関連関数の紹介
- COS関数 – 指定された角度(ラジアン)に対する余弦(コサイン)を返す関数
- ACOS関数 – コサイン値から角度(ラジアン)を返す関数(本関数)
- DEGREES関数 – ラジアンを度に変換する関数
- RADIANS関数 – 度をラジアンに変換する関数
- ASIN関数 – アークサイン(逆正弦)を返す関数
- ATAN関数 – アークタンジェント(逆正接)を返す関数
8. まとめ
ACOS関数は、コサイン値から角度を求める逆三角関数の一種で、ラジアンで返される点に注意が必要です。
三角関数を使った計算や、幾何学・物理の分野で角度を扱う場面で特に有効です。
9. 対応バージョン
Excel 2003以降のすべてのバージョンで使用可能です。