ABS関数 – 数値の絶対値を求める関数
1. 使い方と活用例
ABS関数は、指定した数値の絶対値(Absolute Value)を返す関数です。
絶対値とは、数値の符号(正負)を無視した値の大きさを指し、常に0以上の値となります。
数値の変化量や差を扱う計算、損失・利益の絶対的な大きさの比較などに広く利用されます。
2. 基本の書式
=ABS(number)
3. 引数の説明
- number – 絶対値を求めたい数値または数式を指定します。
4. 使用シーン
- 数値の変動(増減)の大きさだけを評価したいとき
- 実績と目標の差(正負関係なく)を比較したいとき
- 関数や計算式の中で負の値を排除したいとき
5. 応用のポイント
ABS関数は非常にシンプルですが、IF関数やSUMPRODUCT関数と組み合わせることで応用の幅が広がります。
例えば、複数の値の誤差の合計(絶対値の合計)を計算したり、誤差が一定範囲内かを評価することができます。
また、負の値を扱う数式をより安全に処理するためにも便利です。
6. 具体例とその解説
=ABS(-10)
この式は -10 の絶対値を求め、結果は10になります。
=ABS(A1-B1)
この式は、セルA1とB1の差の絶対値を求めます。
たとえば A1=90、B1=100 の場合、結果は 10 となり、差の向き(増減)ではなく大きさのみを評価できます。
7. 関連関数の紹介
- SIGN関数 – 指定した数値の符号を返す関数(1、0、-1)
- ROUND関数 – 数値を四捨五入して丸める関数
- MAX関数 – 最大値を求める関数で、負の値を含む場合の扱いと組み合わせ可能
- IF関数 – 条件に応じて処理を分岐させる基本関数
8. まとめ
ABS関数は、数値の正負を無視して大きさだけを求めたいときに使う、
非常に基本的かつ実用的な関数です。
他の関数と組み合わせることで、差異分析、誤差計算、絶対評価などに幅広く対応できます。
9. 対応バージョン
Excel 2003以降のすべてのバージョンで使用可能です。